本記事は「2025年改正育児介護休業法シリーズ」の第26弾です。他のシリーズの記事はコチラから👉2025年育児介護休業法改正|企業がすべき対応と助成金情報
「男性育休を複数回に分けて申請したいが、手続きの流れがわからない」
「産後パパ育休と通常育休を組み合わせる場合、申請期限はいつまでか」
そんな疑問を抱える人事担当者の方は多いのではないでしょうか。
産後パパ育休と通常育休を組み合わせて取得する「合わせ技」は、従業員のキャリアと育児を両立させ、企業の人材定着にもつながる有効な手段です。
本記事では、その申請手順を人事担当者向けに時系列で解説します。
前回の記事では産後パパ育休・分割取得・パパ・ママ育休プラスを組み合わせる具体的なフローを解説しました。
前回の記事は👉男性育休3制度の組み合わせ|産後パパ育休×分割取得の具体フロー
本記事ではその続きとして、実際の申請手続きと必要書類を従業員側・企業側の両視点から時系列で解説します。
この記事で分かること
- 従業員への育休取得サポートと社内制度の確認ポイント
- 従業員から早期相談を受けた際の企業側の対応ポイント
- 通常育休(1ヶ月前)と産後パパ育休(2週間前)の申請期限の違い
- 育児休業申出書の作成から取扱通知書の受理までの手順
男性育休取得の検討段階|企業が従業員にサポートすべきポイント
男性育休の「合わせ技」戦略を成功させる第一歩は、なんといっても事前の丁寧な検討と情報収集にあります。
このフェーズでは、従業員と企業、それぞれが育休取得に向けた準備を始めることになります。
従業員への育休取得サポート|企業が押さえるべき初期対応のポイント
従業員が育休取得を検討し始めたら、企業側は以下のポイントを念頭に置いてサポートしましょう。
従業員からの育休取得意向の初期確認
- 従業員が育休取得の意向を示した段階で、取得時期や期間の希望を把握しておきましょう。詳細な確認は正式な申出の段階で行います。
- 育休中の給付金案内と従業員の不安解消
- 従業員が育休中の家計への影響を不安に感じるケースは少なくありません。
- 育児休業給付金の概要を事前に案内しておくことで、従業員が安心して育休取得を決断できる環境を整えましょう。
- 復帰後の社内制度の案内
- 従業員が育休後の働き方(時短勤務・リモートワークなど)を検討できるよう、社内制度の情報を早めに提供しておきましょう。
社内制度と公的制度の情報提供
従業員が育休取得を検討し始めた段階で、企業側から以下の情報を提供しておきましょう。
- 会社の就業規則・育児介護休業規程の確認
- 就業規則・育児介護休業規程の内容を従業員にわかりやすく説明できるよう、人事担当者側が事前に整理しておきましょう。
- 分割取得の可否や会社独自の手当についても合わせて案内することが重要です。
- 「産後パパ育休」と通常育休の違いを従業員に案内する
- 産後パパ育休と通常育休は申請期限や取得可能期間が異なります。
- 従業員が混乱しないよう、2つの制度の違いを早めに案内しておきましょう。
- 公的支援制度の案内
- 育児休業給付金など公的支援制度の概要を従業員に案内しておきましょう。
- 支給条件や申請方法の詳細は次回記事で解説しますが、この段階では制度の存在を伝えるだけでも従業員の安心感につながります。
企業が押さえるべき男性育休取得サポートのポイント|制度周知と相談窓口
従業員が安心して育休取得を検討できるよう、企業側は以下の2点を整備しましょう。
育休制度の周知と問い合わせ窓口の明確化
- 育休制度の周知徹底
- 社内ポータルサイトへの情報掲載や説明会の開催など、多角的な方法で育休制度を周知しましょう。
- 産後パパ育休と通常育休を組み合わせた柔軟な取得が可能であることも合わせて伝えることが有効です。
- 問い合わせ窓口の明確化
- 育休に関する相談窓口(人事部・担当者・直属の上司)を明確にし、従業員が気軽に相談できる体制を整えましょう。
- 相談しやすい環境を整えることが、育休取得率の向上につながります。
従業員からの早期相談を受けた際の企業側の対応方法
従業員から早期に育休取得の相談があった場合、企業側の迅速な対応がその後の申請プロセスと職場復帰を円滑にするカギとなります。
従業員からの育休相談を受けた際の上司・人事部の対応ポイント
従業員から育休取得の意向が伝えられたら、上司・人事部は速やかに対応を開始しましょう。出産予定日の数ヶ月前など、早い段階での相談ほど業務調整の準備期間を確保しやすくなります。
- 従業員からの育休取得意向の確認と記録
- 従業員から育休取得の相談を受けた際は、取得時期・期間・取得方法を具体的に確認しましょう。
- 例えば「出産後2週間に産後パパ育休を取得し、子が1歳頃に3ヶ月間の通常育休を取得したい」といった情報を把握することで、業務調整の計画を立てやすくなります。
- 業務調整・引き継ぎ計画の策定
- 従業員の担当業務を把握した上で、育休期間中の業務の進め方と引き継ぎ先を早めに決定しましょう。
- 早期に計画を立てることで、代替要員の確保や業務フローの見直しを余裕を持って進めることができます。
- 従業員の不安や疑問への対応
- 従業員が育休取得や復帰後の働き方について不安や疑問を抱えている場合は、この段階で丁寧に対応しましょう。
- 事前に疑問を解消しておくことで、従業員が安心して育休準備を進められ、スムーズな申請につながります。
企業が育休相談に対応する際の3つのポイント
従業員からの育休相談は、人材定着を図る重要な機会です。上司と人事部が連携して以下の3点に対応しましょう。
- 丁寧な制度説明と不安の解消
- 育休制度の内容と申請手続きを丁寧に説明しましょう。
- 従業員が抱えるキャリアへの不安や業務への影響に関する懸念には誠実に対応し、社内の取得事例を共有することも有効です。
- 業務調整計画と代替要員の検討開始
- 従業員の育休取得パターンを把握したら、上司と人事部が連携して業務調整計画を立て始めましょう。
- 代替要員の配置や既存メンバーの役割分担の見直しは、早めに着手するほど余裕を持って進められます。
- 上司主導の業務調整と人事部のサポート
- 業務調整と引き継ぎは、日頃の業務を最もよく把握している直属の上司が主導しましょう。
- 人事部は制度面のアドバイスや困難なケースへのサポートなど、上司の後方支援に徹することで円滑な育休取得を促進できます。
男性育休の正式申出方法|提出期限と必要書類を徹底解説
従業員からの早期相談と業務調整の目処が立ったら、正式な育児休業申出の手続きに移ります。この段階では提出期限の厳守と必要書類の確認が重要です。
育児休業申出書の確認ポイントと提出期限の案内
従業員が育児休業申出書を提出する際、企業側は以下のポイントを確認しましょう。
必要事項の正確な記入
- 育児休業申出書には氏名・住所・休業開始予定日・終了予定日・子の氏名や生年月日などが記載されているか確認しましょう。
- 複数回に分けて取得する場合は、各期間の開始日と終了日が正確に記載されているかを特に注意して確認します。
申請期限の厳守
育児休業には法律で定められた申請期限があります。従業員に対して以下の期限を事前に案内しておきましょう。
- 通常の育児休業|休業開始予定日の1ヶ月前まで
- 産後パパ育休|休業開始予定日の2週間前まで
複数回に分けて取得する場合は、それぞれの休業期間について個別に申出書が必要です。
申請漏れが起きないよう、取得スケジュールと申請期限を従業員と一緒に確認しておきましょう。
従業員から受け取る必要書類
従業員から提出を受ける書類は以下の通りです。
- 育児休業申出書(会社指定様式)
- 母子健康手帳の写し(出生後。出生前の場合は母子健康手帳の写しで代用可)
- 住民票記載事項証明書(子の氏名、生年月日、親子関係を確認するため)。
育児休業申出の受理と取扱通知書の交付手順
従業員から育児休業申出書が提出されたら、速やかに内容を確認し受理しましょう。
- 申出書の確認と受理
- 提出された申出書に記載漏れや誤りがあれば速やかに修正を促し、内容に問題がなければ正式に受理します。
- 「育児休業取扱通知書」の交付
- 申出書を受理したら速やかに「育児休業取扱通知書」を交付しましょう。
- この通知書は育休の期間や条件を従業員と会社の間で明確にする重要な書類で、法律上の義務です。
育児休業取扱通知書に関してはこちらの記事の中で詳細に解説してます。

- 複数回取得の場合の取扱通知書の記載ポイント
- 従業員が複数回に分けて育休を取得する場合は、それぞれの休業期間と現時点での申請状況(例:1回目申出済み・2回目申出が必要など)を通知書に明確に記載しましょう。
- 従業員が今後の手続きの見通しを立てやすくなり、申請漏れの防止にもつながります。
まとめ|産後パパ育休と通常育休を組み合わせた申請手順を円滑に進めるポイント
本記事では、産後パパ育休と通常育休を組み合わせた育休取得の検討段階から育児休業申出までの流れを解説しました。
複数制度を組み合わせた育休取得を円滑に進めるには、企業側の早めの情報提供と申請期限・必要書類の正確な管理が不可欠です。
本記事で解説した4つのステップ
本記事では以下の4つのステップを解説しました。
- 従業員への育休制度の情報提供と計画把握
- 社内制度・公的支援制度の案内
- 従業員からの早期相談への対応と業務調整の開始
- 育児休業申出書の受理と取扱通知書の交付
早期対応と密な連携が育休申請を円滑にする
初期段階での従業員への情報提供と、上司・人事部の密な連携が、その後の育休申請と職場復帰を円滑にします。
早めの対応が企業・従業員双方にとってのメリットにつながります。
次回予告|男性育休「合わせ技」の実務サポートと給付金解説
次回は育休取得中の育児休業給付金の申請手続きと社会保険料の免除について解説します。
従業員への給付金案内や申請サポートに役立つ情報をお届けします。
次回の記事は👉育児休業給付金の申請手続きガイド|分割取得や申請期限も解説
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- 執筆者|社会保険労務士 戸塚淳二(社会保険労務士登録番号|第29240010号)
- 日々、企業の「ヒト」と「組織」に関わる様々な課題に真摯に向き合っています。労働法の基本的な知識から、実務に役立つ労務管理の考え方や人事制度の整え方まで、専門家として確かな情報を初めての方にもわかりやすくお伝えします。

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