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男性育休組み合わせ取得ガイド【第6回】育休・産前産後免除の実例・比較・Q&A

産前産後、育児休業中の社会保険料の免除 2025年改正育児介護休業法
産前産後、育児休業中の社会保険料の免除をしっかり把握しましょう
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本記事は「2025年改正育児介護休業法シリーズ」の第31弾です。他のシリーズの記事はコチラから👉2025年育児介護休業法改正|企業がすべき対応と助成金情報

前回の記事では産前産後休業期間中の社会保険料免除制度について解説しました。

前回の記事は👉産前産後休業中の社会保険料免除|申請手続きと育児休業との違いを解説

制度の概要や要件を理解しても、実際のケースに当てはめると「いつ免除が適用されるのか」が把握しにくい場合があります。

特に複数制度を組み合わせた分割取得のように期間が複雑になる場合は、具体的な事例で確認しておくことが重要です。

この記事で分かること

  • 2026年の具体例で見る産前産後休業・育休・パパママ育休プラスの免除スケジュール
  • 妻Aさんのケース:産休開始月から育休終了前月までの免除適用の全体像
  • 夫Bさんのケース:分割取得により7月分免除と賞与免除が適用されるロジック
  • 社会保険料免除(年金事務所・一度きり)と給付金(ハローワーク・2ヶ月ごと)の手続きの違い
  • 住民税・育休中の就労など現場でよくある質問への回答

事例で見る男性育休・複数制度組み合わせ取得における社会保険料免除の適用タイミング

夫婦でパパママ育休プラスを活用するケースを例に、各期間の社会保険料免除の適用と企業側の手続きを時系列で解説します。

事例の前提条件と登場人物

ここでは、以前の記事【第2回】の育児休業給付金の申請フローでも登場した夫婦を例に、社会保険料免除の適用と企業側の手続きを時系列で解説します。

なお、賞与が毎年7月と12月に支給されると仮定して解説します。

妻Aさん|2026年7月10日出産。産後休業を経て育児休業を取得予定。

  • 産前休業期間
    • 2026年5月30日 〜 2026年7月9日(出産予定日の6週間前〜出産前日=41日間)
  • 産後休業期間
    • 2026年7月11日 〜 2026年9月7日(出産日の翌日から8週間=56日間)
    • ※出産日は労働基準法上、産前・産後休業日のどちらにも入りません。
  • Aさんの育児休業開始予定日
    • 2026年9月8日(産後休業明けの翌日)
  • Aさんの育児休業終了予定日
    • 2027年7月9日(子が1歳になる前日まで)

夫Bさん|「産後パパ育休」と「パパママ育休プラス」を利用して育休を取得予定。

  • 育休期間①(産後パパ育休)
    • 第1期: 2026年7月10日 〜 2026年7月16日(出生日を含む7日間)
    • 第2期: 2026年7月25日 〜 2026年8月8日(15日間)
  • 育休期間②(通常の育児休業 / パパママ育休プラス適用)
    • 2027年7月10日 〜 2027年9月9日(子が1歳から1歳2ヶ月になる前日まで)

※Aさんが子の1歳まで育休を取得しているため、パパママ育休プラスの適用によりBさんは子が1歳2ヶ月になる前日まで育休を取得できます。

社会保険料免除の適用を育児休業期間ごとに詳しく解説

ここからは、上記の育休期間に応じて、妻Aさんと夫Bさんの社会保険料がどのように免除されるかを確認します。

産前産後休業期間中の社会保険料免除

産前産後休業中は、休業を開始した月から休業が終了した月まで、健康保険・厚生年金保険の保険料が免除されます。

つまり、月の途中で休業が始まった場合でも、その月の保険料は免除の対象となり、月末まで休業していなくてもその月の保険料は免除されます。

育児休業期間中の社会保険料免除

  • 月々の保険料免除
    • 月末に育休を取得していること
    • 月の途中で育児休業が開始・終了し、月末に育休をしていない場合でも、同一月内で14日以上育児休業を取得していること
  • 賞与にかかる保険料免除
    • 賞与月の末日を含んで1か月を超える育休を取得すること

がカギとなります。

妻Aさんの場合

(産前休業期間)2026年5月30日 〜 2026年7月9日

(産後休業期間)2026年7月11日 〜 2026年9月7日

(育児休業期間)2026年9月8日〜2027年7月9日

  • 2026年5月(産前休業期間中)
    • 月々の社会保険料
      • 産前休業を2日間取得しているため免除されます。
  • 2026年6月(産前休業期間中)
    • 月々の社会保険料
      • 免除されます。
  • 2026年7月(産前・産後休業期間中)
    • 月々の社会保険料
      • 免除されます。
    • 賞与(7月支給)
      • 同じく、免除されます。
  • 2026年8月(産後休業期間中)
    • 月々の社会保険料
      • 免除されます。
  • 2026年9月〜2027年6月(育児休業期間中⦅Aさんの育休は9月8日開始で、各月の末日に育休中⦆)
    • これらの月の月々の社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は全額免除されます。
    • 賞与(2026年12月支給)
      • Aさんは12月を通して育児休業を取得しており、「賞与月の末日(12月31日)を含んで1か月を超える育休を取得」要件を満たしているため、12月に支給される賞与にかかる社会保険料も免除されます
  • 2027年7月(育児休業終了月⦅育休は7月9日に終了⦆)
    • 月々の社会保険料
      • 月末(7月31日)には育休が終了しているため、7月分の社会保険料は免除されず、通常通り発生します。
    • 賞与(7月支給)
      • 7月中の育休期間は9日間(7月1日~7月9日)となり、「賞与月の末日(7月31日)を含んで1か月を超える育休を取得」要件を満たさないため、7月に支給される賞与にかかる社会保険料は免除されません。

夫Bさんの場合

(産後パパ育休)2026年7月10日 〜 2026年7月16日(出生日を含む7日間)

(産後パパ育休)2026年7月25日 〜 2026年8月8日(15日間)

(通常の育児休業 / パパママ育休プラス適用)2027年7月10日 〜 2027年9月9日(子が1歳から1歳2ヶ月になる前日まで)

育休期間①(産後パパ育休)
  • 2026年7月(育休期間は7月10日〜7月16日⦅7日間⦆と7月25日〜7月31日⦅7日間⦆)
    • 月々の社会保険料
      • 7月31日時点で育休中(7月25日からの育休が続いている)のため、7月分の社会保険料は免除されます。
    • 賞与(7月支給)
      • 「賞与月の末日を含んで1か月を超える育休を取得すること」という要件を満たしていないため、7月に支給される賞与にかかる社会保険料は免除されません。
  • 2026年8月(育休期間は8月1日〜8月8日)
    • 月々の社会保険料
      • 月末(8月31日)には育休が終了しているため、8月分の社会保険料は免除されません。
  • 2026年12月( 育休期間なし)
    • 月々の社会保険料
      • 通常通り発生。
    • 賞与(12月支給)
      • 育休期間がないため、賞与にかかる社会保険料は免除されません。
育休期間②(通常の育児休業 / パパママ育休プラス適用)
  • 2027年7月(育休開始は7月10日。月末⦅7月31日⦆に育休中)
    • 月々の社会保険料
      • 7月分の社会保険料は免除されます。
    • 賞与(7月支給)
      • 7月10日から継続して育休を取得しており、月末の7月31日において休業をしております。
      • なお、最終的に9月9日まで育児休業を取得しているため、「賞与月の末日を含んで1か月を超える育休を取得すること」という要件を満たすため、7月に支給される賞与にかかる社会保険料も免除されます
  • 2027年8月(育休期間中。月末⦅8月31日⦆に育休中)
    • 月々の社会保険料
      • 8月分の社会保険料は免除されます。
  • 2027年9月(育休終了月⦅育休は9月9日に終了⦆)
    • 月々の社会保険料
      • 月末(9月30日)には育休が終了しているため、9月分の社会保険料は免除されず、通常通り発生します。

育児休業の社会保険料免除手続きの流れ

この事例における社会保険料免除の手続きは以下の通りです。

1. 従業員からの休業申出書の受理

  • AさんとBさんから、それぞれ育休取得や産前産後休業の申出書が提出されます。これらの申出書には、社会保険料免除の希望も含まれていることを確認します。

2. 「産前産後休業取得者申出書」の作成と提出

2026年5月30日の産前休業開始後、速やかに「産前産後休業取得者申出書」を作成し、管轄の年金事務所へ提出します。

開始日を「2026年5月30日」、終了予定日を「2026年9月7日」と記載します。

※産前産後休業は産前・産後を一連の休業として一括で届け出ることが一般的です。この申出書の提出により社会保険料免除の手続きが開始されます。

3. 「育児休業等取得者申出書」の作成と提出

  • Aさんの場合
    • 2026年9月8日の育休開始後、速やかに「育児休業等取得者申出書」を作成し、管轄の年金事務所へ提出します。
    • 開始日を「2026年9月8日」、終了予定日を「2027年7月9日」と記載します。
  • Bさんの場合(育休期間①)
    • 2026年7月10日の産後パパ育休開始後、速やかに「育児休業等取得者申出書」を作成し、提出します。
    • 開始日を「2026年7月10日」、終了予定日を「2026年8月8日」と記載します。
  • Bさんの場合(育休期間②
    • 2027年7月10日の育休開始後、改めて「育児休業等取得者申出書」を作成し、提出します。
    • 開始日を「2027年7月10日」、終了予定日を「2027年9月9日」と記載します。

※分割取得の場合は育休期間開始ごとに申出書の提出が必要です。

4. 給与計算における社会保険料の控除処理

  • 各従業員の育休期間に応じて、免除対象となる月の社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)を給与計算時に控除しません。
  • 賞与が支給される月に、その月の育休期間が「賞与月の末日を含んで1か月を超える」要件を満たしているかを確認し、要件を満たしていれば賞与にかかる社会保険料も控除しません。

5. 「育児休業等取得者変更届」の提出(期間変更があった場合)

  • もしAさんやBさんの育休期間に短縮や延長などの変更が生じた場合は、その都度、速やかに「育児休業等取得者変更届」を年金事務所へ提出し、正確な期間を届け出ます。

社会保険料免除と育児休業給付金の手続きの違い

社会保険料免除と育児休業給付金は手続きの面で大きな違いがあります。混同しやすいため従業員への案内時に合わせて説明しておきましょう。

以下の表にまとめます。

項目社会保険料免除(健康保険・厚生年金保険)育児休業給付金(雇用保険)
目的育児休業期間中の経済的負担軽減(会社・従業員双方の保険料負担なし)育児休業期間中の生活保障(賃金の一部を給付)
手続きの性質休業開始時に一度だけ届出すれば、免除要件を満たす限り自動的に適用されます。給付を受けるため、原則2ヶ月ごとに申請が必要です。
対象健康保険料、厚生年金保険料給付金(休業開始時賃金日額の67%または50%)
窓口年金事務所ハローワーク
継続的申請不要(期間変更時のみ変更届が必要)必要(2ヶ月ごとの申請をしないと給付が止まるため、企業担当者による継続的な手続きサポートが重要です)
ポイント月々の免除は「月末育休」または「同月内14日以上育休」、賞与の免除は「賞与月の末日を含んだ1ヶ月超育休」が要件です。初回申請後も2ヶ月ごとにハローワークへの申請が必要な点を従業員に伝え、企業側も忘れずに手続きを行いましょう。

よくある質問(Q&A)

育児休業中の社会保険料免除に関して、実務上よくある質問とその回答をまとめました。

Q1| 育休中の住民税は免除されますか?

住民税は社会保険料とは異なり育児休業中も免除されません。

前年の所得に基づいて課税されるため、育休中も住民税の徴収が続きます。

従業員への案内時にあわせて伝えておきましょう。

Q2|育休を分割取得した場合、それぞれの期間で社会保険料免除の手続きが必要ですか?

基本的に育休期間が始まるごとに「育児休業等取得者申出書」を提出する必要があります。

ただし産後パパ育休と通常育休を間に就労を挟まず連続して取得する場合はまとめて1回の申出書で手続きが可能です。

詳細は関連記事をご確認ください。👉産前産後休業中の社会保険料免除|申請手続きと育児休業との違いを解説

Q3|育休が終わって復帰した後、何か社会保険に関する手続きは必要ですか?

育休終了後に「育児休業等取得者終了届」を提出しましょう。

これにより社会保険料の免除が終了します。また育休期間中に報酬が低下した場合は「育児休業等終了時報酬月額変更届」を提出することで復帰後の給与に応じた適切な保険料が適用されます。

Q4|育児休業中に就労した日があると、免除の対象外になりますか

育休期間中に一時的に就労した日があっても直ちに免除対象外となるわけではありません。

ただし就労時間・日数には上限があります(原則として月80時間以下かつ休業前の所定労働日数の半分以下)。

この上限を超えると給付金の支給対象外となるだけでなく育休の取得自体が認められなくなり免除対象外となる可能性があります。

月々の免除要件は月末時点で育休中であること、または同月内に14日以上育休を取得していることです。

これらの要件を満たし就労時間の上限を逸脱していなければその月の保険料は免除されます。

賞与の免除要件は賞与月の末日を含んで1か月を超える育休取得です。

就労により連続した休業期間が中断されると免除が受けられなくなる可能性があるため注意しましょう。

まとめ|育休中・産前産後休業期間中の社会保険料免除の実務ポイント

本記事では社会保険料免除の具体的な事例とよくある質問を解説しました。関連記事はコチラ👇

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月々の免除要件は「月末時点での育休取得」または「同月内14日以上の育休取得」です。

賞与の免除要件は「賞与月の末日を含んで1か月を超える育休取得」です。

これらを正確に把握し従業員への事前案内と適切な手続きを進めましょう。

本記事をもって男性育休組み合わせ取得ガイドシリーズはいったん終了となります。

次回予告|育児休業給付金の支給額と計算方法を徹底解説

次回は育児休業給付金の具体的な支給額の計算方法に焦点を当てて解説します。

手続きだけでなく「実際にいくら受け取れるのか」を把握しておくことは従業員への案内においても重要です。

次回の記事は👉2025年改正雇用保険法と育児休業給付金の支給要件・期間・金額

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戸塚淳二
この記事を書いた人
  • 執筆者|社会保険労務士 戸塚淳二(社会保険労務士登録番号|第29240010号)
  • 日々、企業の「ヒト」と「組織」に関わる様々な課題に真摯に向き合っています。労働法の基本的な知識から、実務に役立つ労務管理の考え方や人事制度の整え方まで、専門家として確かな情報を初めての方にもわかりやすくお伝えします。

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