本記事は「2025年改正育児介護休業法シリーズ」の第29弾です。他のシリーズの記事はコチラから👉2025年育児介護休業法改正|企業がすべき対応と助成金情報
前回の記事では育児休業中の社会保険料免除の条件と要件を解説しました。
前回の記事は👉育児休業期間中の社会保険料は免除?月々の給与・賞与免除も解説
本記事では免除を受けるための具体的な申請手続きと必要書類を人事担当者向けに解説します。
特に「育児休業等取得者申出書」の役割と手続き、育休期間の変更や分割取得のケースごとの注意点を解説します。
この記事で分かること
- 社会保険料免除に必要な「育児休業等取得者申出書」の役割と提出先
- 従業員への申請案内と会社側の手続きの流れ
- 育休期間が短縮・延長された場合の「終了届・変更届」の使い分け
- 産後パパ育休から通常育休へ連続移行する際の手続き簡略化のポイント
- 分割取得の場合の各期間ごとの免除判定の注意点
社会保険料免除の手続き|育児休業取得時に必要な申出書と注意点
社会保険料の免除も育児休業給付金と同様に、従業員と会社が連携して手続きを進めます。以下では企業側の対応を中心に解説します。
従業員への申請案内|育児休業申出書の記入と追加書類の提出依頼
社会保険料免除の手続きは会社が主導しますが、従業員側にも対応が必要な事項があります。以下の点を従業員に事前に案内しておきましょう。
- 従業員からの免除希望の確認
- 育児休業申出書には社会保険料免除に関する項目が含まれていることがほとんどです。
- 従業員にその項目へのチェック記入を依頼し、免除希望の意思確認を行いましょう。
- 追加書類の提出依頼
- 手続きに応じて従業員に追加書類の提出を依頼する場合があります。
- 母子健康手帳の写しや住民票記載事項証明書など、育児休業給付金の申請と共通する書類も多いため、まとめて依頼すると効率的です。
育児休業等取得者申出書の作成と年金事務所への提出
従業員からの申し出を受けたら、以下の手続きを速やかに進めましょう。
「育児休業等取得者申出書」の作成と日本年金機構への提出
- 従業員の育児休業開始後、「育児休業等取得者申出書」を作成し管轄の年金事務所へ提出しましょう。
- この申出書の提出により社会保険料免除の手続きが開始されます。
必須の書類「育児休業等取得者申出書」とは?
正式名称は「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書」で、育休期間中の社会保険料免除を受けるために会社が年金事務所に提出する全国共通の様式です。
従業員が直接提出するものではなく、会社が作成・提出します。
提出により従業員本人・会社双方の社会保険料が免除され、免除期間も将来の年金受給額に影響しません。
申出書の提出対象となる育児休業の種類
申出書の提出対象となる育児休業は以下の通りです。
- 子が1歳(延長の場合は1歳6ヶ月・2歳)に満たない期間の育児休業
- 3歳に達するまでの子を養育するための育休制度に準ずる措置による休業
- 産後パパ育休(出生時育児休業)
申出書の提出先と提出タイミング
従業員の育児休業開始後、速やかに管轄の年金事務所へ提出しましょう。
明確な提出期限は定められていませんが、提出が遅れると免除開始月が遅れるだけでなく従業員の保険証利用に影響が出る可能性があります。
申出書の主な記載内容
申出書には以下の情報を記載します。
- 従業員の氏名・生年月日
- 育児休業の開始日・終了予定日
- 子の氏名・生年月日・続柄
「育児休業等取得者申出書」のダウンロード先
申出書の様式は日本年金機構のウェブサイトからダウンロードできます。記入例や関連手続きの情報も掲載されています。
従業員への制度説明と情報提供
社会保険料免除の仕組み・免除期間・年金への影響について従業員に事前に説明しておきましょう。
案内資料を用意しておくと説明がスムーズになります。
給与計算における社会保険料の控除処理
社会保険料が免除された期間の給与計算では、健康保険料と厚生年金保険料を控除しない処理が必要です。
給与システムへの反映漏れがないよう注意しましょう。
育児休業中の社会保険料免除手続きで押さえるべき注意点
育休期間の変更や分割取得の場合は追加手続きが必要になります。以下の3つのケースを事前に把握しておきましょう。
育休期間の変更があった場合の対応
- 育児休業期間が短縮された場合
- 「育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届(終了にチェック)」を速やかに年金事務所へ提出しましょう。
- 実際の育休終了日までの社会保険料免除となります。
- 育児休業期間が延長された場合
- 「育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届(延長にチェック)」を速やかに年金事務所へ提出しましょう。
- 新たな終了予定日まで社会保険料免除が継続されます。
- 予定通りに育児休業が終了し復職した場合
- 届け出た予定通りに育休が終了した場合は終了届の提出は不要です。
産後パパ育休と通常の育休を連続して取得する場合の手続き
- 産後パパ育休と通常育休を間に就労期間を挟まず連続して取得する場合、社会保険料免除の手続き上はまとめて1回の育休として申し出ることができます。
- 申出書には産後パパ育休の開始日から通常育休の終了予定日までを一連の期間として記載しましょう。
- これにより手続きを簡略化できます。
複数制度を組み合わせた分割取得の場合の取り扱い
- 複数制度を組み合わせた分割取得の場合、社会保険料の免除は各育休期間ごとに判断されます。
- 月々の社会保険料:月末時点で育休中であるか、同月内に14日以上育休を取得していれば免除されます。
- 賞与の社会保険料:同月内に連続して14日を超える育休を取得していれば免除されます。
- 各育休の開始・終了時に「育児休業等取得者申出書」や「育児休業等取得者変更届」を必要に応じて提出しましょう。
- 育休期間の間に間隔が空く場合はその都度申出が必要になるため、事前に年金事務所や社会保険労務士に確認しておきましょう。
まとめ|育児休業中の社会保険料免除申請で押さえるべき実務ポイント
本記事では育児休業中の社会保険料免除の申請手続きと注意点を解説しました。
月末時点での育休取得が月々の保険料免除の要件となること、賞与については同月内に連続して14日を超える育休取得が必要な点を正確に把握しておきましょう。
産後パパ育休と通常育休を連続取得する場合は手続きを簡略化できる点、分割取得の場合は各期間ごとに免除要件を判定する点も合わせて従業員に案内しておきましょう。
適切な手続きと従業員への事前案内がスムーズな育休運用につながります。
次回予告|産前産後休業での保険料免除
次回は育児休業と密接に関連する「産前産後休業中の社会保険料免除」について解説します。
見落とされがちですが、従業員への案内と実務対応において重要な制度です。
次回の記事は👉産前産後休業中の社会保険料免除制度を徹底解説
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- 執筆者|社会保険労務士 戸塚淳二(社会保険労務士登録番号|第29240010号)
- 日々、企業の「ヒト」と「組織」に関わる様々な課題に真摯に向き合っています。労働法の基本的な知識から、実務に役立つ労務管理の考え方や人事制度の整え方まで、専門家として確かな情報を初めての方にもわかりやすくお伝えします。

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