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2025年改正 出生後休業支援給付金➁総務担当者が知るべき申請手続きと実務ポイント

出生後休業支援給付金 2025年改正育児介護休業法
出生後休業支援給付金に関する解説
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本記事は「2025年改正育児介護休業法シリーズ」の第34弾です。他のシリーズの記事はコチラから👉2025年育児介護休業法改正|企業がすべき対応と助成金情報

前回の記事では出生後休業支援給付金の創設背景と手取り実質10割の仕組みを解説しました。

前回の記事は👉出生後休業支援給付金|手取り実質10割の仕組みと支給要件

本記事では支給期間・申請先・必要書類・申請フローなど実務上の手続きを人事担当者向けに解説します。

この記事で分かること

  • 給付金の支給対象期間:子の出生後8週間以内に取得した最大28日間の育休
  • 申請の実施主体:企業(事業主)がハローワークへ申請する流れ
  • 必要書類:賃金証明書・母子健康手帳の写しなど企業と従業員が準備すべき書類
  • 申請時期:休業終了後2ヶ月以内の申請期限と具体的な手続きの流れ
  • 実務ポイント:社会保険料免除(月末育休)・給付金の非課税など従業員への案内事項

出生後休業支援給付金の支給期間と対象者

出生後休業支援給付金は産後パパ育休を取得する父親を主な対象とし、子の出生後8週間以内に取得した育休期間に対して支給されます。

対象期間の上限は産後パパ育休に合わせて28日間です。従業員への案内時にこの上限を明確に伝えましょう。

  • 対象期間の起算点
    • 原則として、子の出生日が起算日となります。この出生日から8週間(56日間)の間に父親が取得した育児休業が対象です。
  • 支給の対象となる日数
    • 父親が上記期間内に取得した育児休業の実際の日数が対象となりますが、その上限は28日間です。
    • 例えば、父親が産後パパ育休を10日間取得した場合、10日間分の給付金が支給されます。
    • 28日を超えて取得した場合でも、この給付金の上乗せは28日間までとなります。
  • 分割取得の場合
    • 産後パパ育休は、子の出生後8週間以内に2回まで分割して取得できます。
    • この場合、それぞれの休業期間を合算して最大28日間が支援の対象となります。
      • 例:1回目に10日間、2回目に18日間取得した場合、合計28日間が給付対象。
      • 例:1回目に15日間、2回目に15日間取得した場合、合計30日間だが、上乗せ給付は28日間が上限。

この給付金は通常の育児休業給付金に上乗せして支給されるため従業員の経済的メリットは大きく、育休取得促進の観点からも従業員への積極的な案内が重要です。

出生後休業支援給付金の申請先と申請方法|事業主経由でハローワークに提出

出生後休業支援給付金を含む育児休業給付金の申請先は管轄のハローワークです。

申請は従業員本人ではなく事業主経由で行います。

企業が従業員の雇用保険加入状況・休業期間中の賃金情報・育休取得状況を把握した上で必要書類を作成・提出するためです。

以下の点を把握しておきましょう。

  • 従業員からの申し出
    • まずは従業員から育児休業(産後パパ育休)取得の申し出と、給付金申請の意向を確認します。
  • 企業側の役割
    • 育児休業制度の案内と取得促進
    • 出生時育児休業給付金の受給資格確認
    • 必要書類の作成と準備
    • ハローワークへの申請手続き
    • 支給決定通知の受領と従業員への伝達

従業員が給付金を確実に受け取れるよう企業側が積極的にサポートする体制を整えましょう。

出生後休業支援給付金の必要書類と申請時期|スムーズな手続きの準備ポイント

給付金の申請には、いくつかの書類の準備と、適切な時期での申請が求められます。

出生後休業支援給付金の必要書類一覧と準備のポイント

ハローワークに提出する主な必要書類は以下の通りです。これらは、企業側で準備するものと、従業員から提出してもらうものに分かれます。

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雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書

  • 育児休業開始前の賃金状況を証明する書類です。給付金の支給額算定の基礎となります。

準備方法「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」

「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」は給付金の支給額算定に必要な重要書類です。

会社が作成しハローワークへ提出します。従業員が個人で作成する書類ではありません。

正確かつ迅速な作成が従業員のスムーズな給付金受給に直結するため以下のポイントを把握しておきましょう。

「賃金日額」算定の基本 対象期間と賃金の特定

給付金の支給額は、休業開始前の「賃金日額」を基に計算されます。この「賃金日額」を算出するための元となる賃金月額を、証明書に記載していくことになります。

1. 対象期間の特定
  • 期間: 育児休業を開始する日の前の2年間です。
    • 例: 従業員が2025年6月15日に育児休業を開始する場合、対象期間は2023年6月15日~2025年6月14日までの2年間となります。
2. 賃金としてカウントされる月の条件
  • 上記の2年間の中で、給付金の計算に使える月は、「賃金支払基礎日数(賃金が支払われた日数)が11日以上ある月」 に限られます。
    • 賃金支払基礎日数とは?
      • 会社から賃金が支払われた日数のことです。
      • 例えば、月給制で欠勤がなければその月の歴日数(30日や31日)となることが多いですが、日給制や時給制の場合は実際に働いた日数と一致します。
    • なぜ11日以上?
      • これは、その月にある程度まとまって雇用されていた期間があることを確認するための要件です。
      • 賃金が支払われていない月(例:休職手当がない休職期間、または給与計算期間の途中で入社・退職した月のうち勤務日数が極端に少ない月など)はカウントされません。
3. 賃金日額の算定基礎となる「12ヶ月分の賃金」
  • 上記で特定した「賃金支払基礎日数11日以上ある月」の中から、育児休業開始日に最も近い直近の12ヶ月分の賃金月額を選びます。
    • もし、直近2年間で11日以上勤務した月が12ヶ月に満たない場合、原則として給付金の受給資格はありません。
  • 選定した12ヶ月分の賃金月額(税金や社会保険料が控除される前の額面総支給額)をすべて合計します。
    • 賃金に含まれるもの
      • 基本給、通勤手当、住宅手当、役職手当など、原則として労働の対価として支払われるすべての賃金が対象です。
    • 賃金に含まれないもの
      • 賞与(ボーナス)、結婚祝い金などの慶弔金、福利厚生として現物支給されるものなどは原則として含みません。

この12ヶ月分の賃金月額の合計額を12で割ることで、1ヶ月あたりの平均賃金が算出されます。そして、この1ヶ月あたりの平均賃金をさらに30で割ったものが、給付金計算の基礎となる「賃金日額」 の算定基礎となります。

証明書の様式入手と記入方法
1. 様式の入手
  • ハローワークのウェブサイト
    • 最も一般的な方法は、厚生労働省またはハローワークの公式ウェブサイトから様式をダウンロードすることです。
      • 「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(育児)」の様式は、以下の厚生労働省のウェブサイトからダウンロードできます。
  • 電子申請システム(e-Govなど)
    • 電子申請を利用する場合は、システム上で直接入力・作成が可能です。
2. 記入する主な項目
  1. 被保険者情報
    • 従業員の氏名、生年月日、雇用保険被保険者番号などを正確に記入します。
  2. 事業主情報
    • 会社名、事業所番号、所在地、代表者氏名などを記入します。
  3. 休業開始日と休業終了予定日
    • 従業員の育児休業開始日と、終了予定日を記入します。
  4. 賃金情報(重要)
    • 賃金計算の対象となる期間を、休業開始日を挟んで適切に区切ります。
    • 通常、給与計算期間(例:毎月1日~末日、または21日~翌20日など)に合わせます。
    • 各賃金計算期間の賃金支払基礎日数と、その期間に支払われた賃金月額(額面総支給額)を記入します。
    • 特に、「賃金支払基礎日数11日以上ある月」を直近12ヶ月分、間違いなく記入します。
    • 賃金の対象期間と賃金計算期間の区切りに注意し、正確に記載することが求められます。
3. 内容の確認と添付書類
  • 記入内容の徹底確認
    • 記入漏れや誤りがないか、特に賃金月額や日数の記載に間違いがないか、複数人でクロスチェックを行いましょう。
    • これらの誤りは、給付金の支給遅延や誤支給の原因となります。
  • 押印または電子署名
    • 紙の書類で提出する場合は、社印(代表者印)の押印が必要です。電子申請の場合は、電子署名を行います。
  • 添付書類の準備
    • 原則として、証明書に記載した賃金月額や賃金支払基礎日数が確認できる賃金台帳の写しや出勤簿の写しの添付が求められます。
    • これらの書類も、対象期間のものが全て揃っているか確認しましょう。
賃金月額証明書作成の実務アドバイス
  • 早期着手と連携
    • 従業員から育休の申し出があったら速やかに賃金データの収集に取り掛かりましょう。
  • 過去の賃金台帳の保管
    • 最長で過去2年間の賃金データが必要なため賃金台帳や給与明細は適切に保管しておきましょう。
  • 電子申請の活用
    • 申請件数が多い企業は電子申請システムの導入を検討しましょう。
    • 書類作成の手間が省けハローワークとのやり取りも効率化されます。
  • 社会保険労務士との連携
    • 複雑なケースや書類作成に不安がある場合は社会保険労務士への相談も有効です。

育児休業給付金支給申請書(出生時育児休業給付金支給申請書)

  • 従業員の基本情報、育児休業期間、口座情報などを記載します。
  • ハローワークインターネットサービス – 利用上の注意 – 育児休業給付金支給申請書👈こちらからダウンロードできます。
  • 最寄りのハローワークの窓口でも直接、申請書を入手することができます。窓口で質問しながら記入したい場合や、印刷環境がない場合に便利です。
  • e-Gov(イーガブ)を利用して電子申請を行う場合は、専用のシステム上で入力・作成するため、紙の様式をダウンロードする必要はありません。
  • 2回目以降の申請書は、初回申請後にハローワークから郵送されてくる場合が多いため、企業側で改めてダウンロードする必要がないことが一般的です。

育児休業取扱通知書

  • 従業員から育児休業の申し出を受け、会社として承認したことを証明する書類です。
  • 会社(事業主)が従業員に対して発行する社内文書であり、ハローワークなど公的機関からダウンロードする 公式な申請書類ではありません
  • 育児休業の承認内容や期間などを従業員へ正式に通知し、会社と従業員間の認識を明確にするための大切な書類です。

賃金台帳・出勤簿

  • 賃金台帳・出勤簿は休業開始前の賃金や出勤状況を証明するために提出を求められることがあります。

従業員から提出してもらう書類

  • 母子健康手帳の写し
    • 出生年月日や親子の氏名などが記載されているページ(通常は表紙と出生届出済証明のページ)が必要です。子の出生を証明するために用いられます。
  • 住民票の写し
    • 世帯全員が記載されており、申請者と子の氏名、続柄が確認できるものが必要です。
    • これは、申請者と子が同居していることを確認するためです。
  • 振込口座の通帳の写し
    • 給付金の振込先口座を確認するために必要です。
  • 育児休業申出書
    • 従業員が会社に育児休業を申し出る際に提出する書類です。
    • 会社と従業員の間で交わされる社内文書であり、公的機関が定める公式な様式ではありません。
    • しかし、従業員が育児休業を正式に申し出るための重要な書類として、会社の人事・労務管理において不可欠な役割を担います。

総務担当者へのアドバイス

育休の申し出があった時点で必要書類のリストを従業員に渡し早めに準備を依頼しましょう。

特に母子健康手帳や住民票の写しは従業員自身が用意するものであるため余裕を持って案内することが重要です。

出生後休業支援給付金の申請時期|原則は休業終了後2か月以内

給付金の申請は育休期間終了後原則2ヶ月以内に行う必要があります。

  • 申請のタイミング
    • 産後パパ育休が終了した後にまとめて申請します。
    • 分割取得の場合も最後の育休期間終了後に一括して申請します。
  • 申請期限の重要性
    • 2ヶ月の申請期限を過ぎると原則として給付金を受け取ることができなくなります。
    • 育休終了のタイミングに合わせてリマインドや手続きサポートを行いましょう。

出生後休業支援給付金の申請フロー

育児休業給付金(出生後休業支援給付金を含む)の申請フローを企業側の視点から解説します。

①従業員からの育休申し出の受付と書類案内

従業員から産後パパ育休の申し出を受けたら育休期間・制度の説明を行い育児休業申出書を提出してもらいます。

給付金の申請意向を確認し必要書類のリストを渡しましょう。

②企業内での情報整理と書類準備

休業期間中の賃金・出勤状況を確認し「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」 を作成します。

従業員から母子健康手帳の写し・住民票の写し・通帳の写しを収集します。

③ハローワークへの申請書提出

育休終了後に「育児休業給付金支給申請書(出生時育児休業給付金支給申請書)」 に必要事項を記入し準備した書類を添付して管轄のハローワークへ提出します。

提出方法は窓口持参・郵送・電子申請から企業規模や申請件数に応じて選択しましょう。

④ハローワークによる審査

ハローワークが受給資格の有無と支給額を審査します。

追加資料の提出を求められる場合もあります。

⑤支給決定通知の受領と従業員への伝達

審査完了後、ハローワークから事業主宛てに支給決定通知書が送付されます。

申請から数週間〜1ヶ月程度で従業員の指定口座に振り込まれます。

支給決定通知書の内容を従業員に速やかに伝え振込を確認しましょう。

申請をスムーズに進めるための実務ポイント

給付金の手続きは書類が多く専門的な知識も必要です。

社内で手続きマニュアルを整備し社会保険労務士など人事労務の専門家と連携することも有効です。

総務担当者が知っておくべき追加ポイント|出生後休業支援給付金の申請と管理

以下では実務上さらに押さえておくべきポイントを解説します。

社会保険料免除と「月末育休」の関係|従業員への案内ポイント

「手取り実質10割」の大きな要素である社会保険料の免除には、一つ重要な条件があります。

それは、「育児休業期間が、その月の末日を含むこと」です。

  • 例えば、 7月1日から7月31日まで育休を取れば、7月分の社会保険料は免除。
  • 例えば、7月1日から7月10日まで育休を取り、7月11日に復帰した場合、7月分の社会保険料は原則として免除されません(月の途中で育休が終了するため)。
  • 但し、特例としては、2022年10月より、育休期間が14日以上であれば、その月に育休が開始し、その月の途中で終了しても社会保険料が免除されるようになりました。
  • しかし、この「出生後休業支援給付金」の対象となる産後パパ育休は最大28日間で、かつ分割取得が可能です。短期間の育休を月末を含まずに取得する場合、社会保険料免除の恩恵を受けられない可能性があるため、従業員への説明が必要です。

社会保険料免除の詳細はこちら

育休取得計画の段階で月末を含む期間設定や14日以上の取得を従業員にアドバイスしましょう。

出生後休業支援給付金と所得税・住民税・年末調整の関係

育児休業給付金は非課税所得のため年末調整や確定申告で給付金を収入として計上する必要はありません。

ただし育休中は給与収入が減少するため源泉徴収される所得税額や翌年の住民税額が変動する可能性があります。

従業員から税金に関する質問があった際に正確な情報を提供できるよう基本的な知識を把握しておきましょう。

社内育児支援制度との連携と従業員への情報発信

出生後休業支援給付金を既存の社内育児支援制度(育休中の賃金補填・ベビーシッター補助など)と組み合わせて案内することで従業員のエンゲージメント向上につながります。

育休ガイドラインの改訂や説明会の開催を通じて給付金情報を積極的に発信し育休取得しやすい環境整備を進めましょう。

まとめ|出生後休業支援給付金の申請手続きと実務対応ポイント

本記事では出生後休業支援給付金の支給期間・申請手続き・必要書類・実務ポイントを解説しました。

給付金の支給期間・申請期限・必要書類を正確に把握し従業員への適切な案内と手続きサポートを進めましょう。社内マニュアルの整備や社会保険労務士との連携も有効です。

次回予告|育児時短就業給付金の申請手続きと支給条件

次回は2025年の制度改正で創設された「育児時短就業給付金」について解説します。

育休後に時短勤務を選択した従業員への経済的支援制度で、支給対象・金額・申請手続き・企業の実務ポイントをお届けします。

次回の記事は👉2025年4月施行!「育児時短就業給付金」徹底解説【制度の概要と支給額シミュレーション】

最後までお読みいただきありがとうございました。ご相談の際は、以下よりお気軽にお問い合わせください。☟

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戸塚淳二
この記事を書いた人
  • 執筆者|社会保険労務士 戸塚淳二(社会保険労務士登録番号|第29240010号)
  • 日々、企業の「ヒト」と「組織」に関わる様々な課題に真摯に向き合っています。労働法の基本的な知識から、実務に役立つ労務管理の考え方や人事制度の整え方まで、専門家として確かな情報を初めての方にもわかりやすくお伝えします。

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