現代の職場では、副業・兼業が大企業を中心に容認されつつあります。しかし、企業の副業解禁には二重のメッセージが隠されており、単なる社員支援の意図だけでなく、賃上げが難しい経済状況下での給与補完策でもあります。
政府の「働き方改革」や副業ガイドラインによって制度は後押しされましたが、企業側は情報漏洩や競業リスク、過労リスクの管理が不可欠です。副業容認は適切に運用すれば、優秀な人材の確保や定着、組織の活性化など戦略的メリットをもたらします。
一方で、副業禁止や就業規則未整備の企業は、リスクが顕在化した際の法的根拠を欠き、トラブルに巻き込まれる危険があります。副業時代における企業の持続的成長には、メリット最大化とリスク最小化を両立させる労務管理・規則整備が不可欠です。