直前期にむけて(社会保険労務士試験合格体験記13)

社会保険労務士試験合格体験記13苦労するサラリーマン 副業社労士の社労士試験合格体験記
また社長に呼び出される

模試どころじゃなかった、私の5月6月

一般的に社労士試験の受験生たちは、5月頃から予備校が実施する模試を受け始めます。自分の勉強の進捗度や理解度を確認し、試験慣れするための準備を進める、そのような時期じゃないでしょうか。しかし、私の場合、そのようなステップを踏めるような状況ではありませんでした。

勉強は当然続けており、着実に一歩一歩前に進んでいるという実感はありました。

しかしながら、5月、6月の段階で「とりあえず一周した」という感覚すらない。ましてや「各科目を一通り解いて、感触を掴めた」などという状況には程遠く、労一・社一といった科目にはまだ手を付けられていない状態。選択式の対策も一切しておらず、まさに「道半ば」ですらないような有様です。

使用していた教材もごくシンプルで、基本テキストと一問一答形式の問題集のみ。途中で「月刊社労士受験」や「社労士V」などの雑誌を衝動的に買ってみちゃったりしましたが、結局は本棚の飾りと化してしまいました。

しかも、この時期まだ本当に具体的な試験の内容というのはまだ曖昧でした。

例えば、「労働保険徴収法」は、労働者災害補償保険法と雇用保険法の両方にまたがって出題される内容です。労災法では10問中7問が労災法、残り3問が徴収法。雇用保険法でも同様に7問が雇用保険、3問が徴収法。この基本的な出題構成すら把握できていない始末でした。さすがに「労基7問・安衛3問」「労一5問・社一5問」は理解していましたが、それ以外は本当に曖昧だったのです。

スクールや通信講座を利用していれば、このような初歩的な部分の抜け漏れは防げたのかもしれません。なんせ独学でやっております。押さえておかなければならないことが押さえられていない、という弱点がこの時点では出ております。

そんな状態だったので、「模試を受けよう」という思いつきは無く、このままの状態で、このままのペースで本試験まで突っ走る、としか考えてませんでした。

その「このままのペース」というのは、空いている時間を見つけて勉強し、隙間時間をフル活用して進めていくというスタイルです。当時の私の本業での働き方ではそれしかなかったと思います。

月刊社労士受験
私がお世話になった月刊誌

本試験1か月前に異動命令

そうこうしているうちに、本試験を1か月後に控える、7月の後半、またTK社長に呼び出されます。

「今度は何なんだ」前年度末に「係長⇒主任」降格騒動があったのがまだ記憶に新しく、「今度は主任⇒社員か?はたまたクビか?」そんな覚えはないのですが、超疑心暗鬼になっていた私は、ビクビクしながら社長室へ行きます。

社長からの言葉は、思いもよらないものでした。「JTさん、すまんが8月から加工部に移動してくれないか?」

……加工部?寝耳に水とはまさにこのこと。営業畑一筋だった私にとって、まさかの配置転換でした。

加工部とは、いわゆる野菜の「ネット詰め」や「パック詰め」、白菜のカットなどを行う部門。スーパーに並ぶ玉ねぎなどは、1玉売りのほかに3玉ほどがネットに入って売られていることがありますが、あれをネットに詰めるような仕事をする部署です。以前はスーパーのバックヤードでパートさんがやっていた作業でしたが、今は人手不足もあり、外注化が進んでいます。バイヤーとの商談段階で、「玉ねぎ3玉ネット詰めで○○円」という形で納品価格が決まるのです。

移動の背景には、数ヶ月前に加工部の責任者であるH副部長が退職し、残ったO係長の月間残業時間が100時間を超えるという深刻な人手不足がありました。要は「とにかく人が足りない」ので、私にも声がかかったというわけです。

正直、頭の中はいろんな考えが駆け巡りました。「もう営業では必要ないという事か?」——でも、よく考えてみれば、前回の降格騒動以降、仕事への熱意が薄れ、会社へのロイヤルティも下がっていた自分に気づいていました。だからこそ、「それはそれで有かな?新しい部署で新しい仕事をするのも悪くない」とも思えたのです。

まぁ、いずれにしても、社長の打診は断れません。こうして私は8月から加工部への異動が決まりました。後々にこの出来事は私のとって「渡りに船」の話になるのです。

この話は少し続きがあって、加工部に異動することが正式に決まった後、私は責任者のO係長に挨拶に行きました。「8月からよろしくお願いします」とご挨拶。その2日後、O係長はいなくなりました。

会社のスマホと退職届だけを机の上に残して……いわゆる「とんだ」わけです。

2021年の本試験は8月22日(日)です。もう1か月はきっております。とても勉強に集中できるような仕事環境ではないのですが、それでも時は過ぎていきます。

コメント